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2015年間かみゅかみゅチャート ALBUM部門(15位→01位)

15位 Big Sean "Dark Sky Paradise"
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今年は男性ラッパー大活躍の年で、注目作がたくさんリリースされました。特にKendrick LamarやDrakeといった今のシーンを牛耳る大物のリリースもあったために、影に隠れがちだった気がするんですけど、このBig Seanの3作目も素晴らしい佳作でした。自身のレーベルGOOD Musicを率いるKanye Westの"My Beautiful Dark Twisted Fantasy"に明らかに影響受けてそうな前作のほうがアルバムとしての完成度は高かった気がするんですけど、キャッチーさがなくてシングルヒットもあまりなくとっつきにくい印象があったような気がしました。しかし、今作では先行シングルの"I Don't Fuck With You"を筆頭にぐっとキャッチーな楽曲が増えているのが印象的でした。元々彼のラップは歯切れがいいし、空耳的なものも多く聴きやすくて日本人受けもいいと思うんですけど、より今作では意識的にフックがわかりやすくメリハリのあるラップを披露しています。トラック面でもさまざまなプロデューサーを迎えてるので、現行HIP-HOPのトレンドを総ざらいしたようなサウンドが揃ってて、1曲1曲がキャッチーでインパクト強いので楽しく聴けてしまいます。それでいて離婚が影響してるのか全体のトーンは暗く内省的なトーンで統一はされているのが彼らしいです。


14位 Years & Years "Communion"
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最近ではHAIM、Sam Smithなどのアーティストを輩出してきたBBC Sounds ofの2015年版1位に選ばれたエレクトロポップグループYears & Yearsのデビュー作。基本的にはトレンドのダンスミュージックを奏でながらも、インディー・ロックやR&B的な要素も兼ね備えた音楽性で、幅広いリスナーからの支持を期待できるのが強みな上に、ゲイを公言し積極的に同性愛についての意見を発信し俳優としてのキャリアも持ったOlly Alexanderのカリスマ性がこのバンドの大きな役割を担っています。このアルバムについての詳しいレビューはこの記事にも詳しく書いたので割愛しますが、一見陳腐なシンセ・ポップサウンドが並んだ大衆作品だと批判する声もありそうなんですが、リリック的にも音楽的にも様々な要素を兼ね備えた深みのある音楽が揃ったアルバムなんですよ。で、そこにOllyの繊細な歌声が加わることで、一筋縄ではいかない人の感情をうまく捉えて表現することが実現されていて、私達リスナーを惹きつけて話さないだけの魅力を持った大衆音楽へと昇華させることに成功しているのだと思います。「踊って泣ける音楽」と評されることもありますが、彼らの音楽は私達に楽しみ方を強要しない、ある意味で最高のポップミュージックなのです。


13位 Florence + The Machine "How Big, How Blue, How Beautiful"
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Florence welch並びに彼女率いるこのインディーバンドは、この3作目で世界的なスターとしての地位にまで上り詰めた感があります。彼女がデビューしてからこの5年の間にも、オルタナティブ系のポップ~ロック・フィールドで活躍する女性アーティストで、今後のキャリアが期待されるような人がドンドン出てきてそれぞれ盛り上がりを見せてきました。まさにいまポップスターとして活躍するEllie GouldingやLana Del Reyもその部類に入るようなアーティストだったわけですが、その中において彼女は別格のインパクトを放った大物的な存在感を示しているんです。それはなぜなのか。誰にも似ていない、インディーからメインストリームまで全方位に向けてアピールできるキャッチーさも兼ね備えた独特の音楽性、ファッションブランドのモデルを務められるだけのアイコン性、そしてライブで披露する圧倒的な歌唱力とパフォーマンス能力すべてを兼ね備えてるからであり、それを全て両立できるアーティストはやはり今のシーンを見渡してそうそういるものではないわけです。そして、アルバムごとに音楽性を大きく変化させてるのもまた彼女の特徴で、その中でもインパクトのあるヒット曲を放ち、批評家受けの両立も実現できてるのがここ最近の彼女の覚醒っぷりにつながってる気がしますね。前作では「儀式」と題して、大袈裟なバロック・ロックを壮大に深みを持たせて表現していたわけですが、今作ではよりパーソナルに装飾を取っ払った生々しい表現をしており、サウンド的にもよりインディー・ロック色が強まり、彼女の様々な側面が垣間見れる内容になっていて、本当に素晴らしいんです。聴いててアドレナリン出まくりです。この日本盤が出してないのは、さすがに時代遅れも甚だしいのでまずいと思いますよ。広報担当しっかり!←


12位 Dr. Dre "Compton"
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私が洋楽を本格的に聴き始めたのって、2009年位からなんですけど、その頃からずっとニュースで5年以上耳にしてきた話題がありました。それが、「いつDr. Dreが新作"Detox"をリリースするのか?」問題。2011年にも(楽曲がリークしてしまい仕方なく)新曲を発表し、ちゃくちゃくと準備が進んでる様子をアピールしてはいましたが、結局アルバムはリリースされることがなく、出るのは新作のヘッドホンの話ばかり。あぁ新作は出ないんだなぁと誰もがあきらめムードだったこのタイミングでリリースされたのがこの作品でした。まず内容とか以前にN.W.A.の伝記映画公開と時期を合わせ、しかもまだサービスを開始したばかりのApple Musicの目玉コンテンツとしてのリリースという、彼のビジネスマンとしての抜かりない販売戦略に驚かされます。内容に関しても今回驚かされたのは、自分以外のプロデューサーを多数起用し、自身はサウンドのトータルプロデュースに専念することで、トラックの先鋭さを保ちつつ、どんな機器で聴いても魅力的に聞こえるような立体的な最高品質の音を提供することに成功しているんですよね。また、自身のレーベルから大ブレイクしたKendrick Lamarの新作の影響も少なからず受けたのであろう、自身のルーツに根ざしたリリックも印象的ですね。ただ一方でアルバム全体としてなにか伝えたいメッセージがあるわけではなく、結局1曲1曲の完成度の高さやビートの先鋭さに圧倒されるタイプの作品なので、聴きこんでいくうちに飽きが出てくるような気はしました。


11位 Fall Out Boy "American Beauty/American Psycho"
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2000年代のFall Out Boyにはなんとなくむさ苦しいパンクポップのイメージが先行していて、B級感を残したまま活動休止に入ってしまった感じがあったんですが、激痩せしたパトリックのソロ活動が(商業的には失敗しましたが)、バンドの活動自体にかなりいい影響を及ぼしたのは確かだったようで、前作で新たなフェーズに突入した感がありました。サウンドが一気にタイトでクールになったし、パトリックの高音ボーカルもさらに鋭利にソウルフルになって本当に10年代で唯一無事のロックバンドになったなと。そんな前作の成功を受けて、電子音なども積極的に取り入れることでよりタイトなロックサウンドを奏でることに成功したのがこのアルバムでしょうか。単純にこういう2000年代に大量にいた産業ロックバンドが売れなくなったこの時代に、HIP-HOP要素なども取り入れたオルタナティブなサウンドで、全曲それぞれがキャラの立った強力なポップソングを作ってちゃんとヒットさせてしまうのがすごいし、バンドとして常に成長をアピールし続けることにも成功してるんですよね。本当にカッコいいバンドになったなぁと思います。


10位 Janet Jackson "Unbreakable"
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2008年にリリースされた前作"Discipline"は一応先行シングルの"Feedback"がヒットしたりアルバム・チャートで1位を獲得するなど一定の成果を上げることはできていたのですが、全体的に彼女を取り巻く空気感が停滞してるイメージはやっぱ付きまとっている印象があったんですよね。しかし、ここにきて90年代のR&B、特にその中でも彼女がやってたようなジャズのニュアンスを持った音楽を再評価する昨今の流れを受けて彼女のカムバックを歓迎する声が多く聞こえるようになり、特に先行シングル"No Sleep"がリリースされた際に、地味な楽曲ながらそのクオリティーの高さが絶賛されたのが印象的でした。そしてリリースされた新作も蓋を開けてみると、先行シングルで抱いていた期待を裏切ること無く、一方で少し予想を覆すようなサウンドにも挑戦した上質なR&B作品に仕上がっていました。これまでの彼女のキャリアを共に歩んできたJimmy Jam & Terry Lewisが全曲のプロデュースを担当していて、流行に媚びないいわゆるクワイエット・ストームのような十八番サウンドもあれば、DJ Mustard風のエレクトロナンバーやハウス色全開の曲もあったりと意外にも多様な楽曲がそろっています。また、彼女が婚約者の影響でイスラム教に改宗し肌の露出を控えたことに伴い、これまでのセクシーさは影を潜めているんですが、逆に女神のような温かみのある音楽を奏でることに成功していて、そういった包容力がありつつも1曲目から最後までスムースかつ全く飽きること無く聴けてしまいました。まさに彼女のキャリアの集大成のような作品だと思います。


09位 Empress Of "Me"
empress of album
ブルックリンを拠点に活動するLorely Rodriguezによるソロ・プロジェクトEmpress Ofのデビュー・アルバム。彼女の音楽性は、FKA twigsのような奇天烈なエレクトロサウンドをもっとポップにして、BANKSのような退廃的でダークな世界観のビートミュージックをもっと明るくしたようなイメージでしょうか。エレクトロやR&B、ドリームポップといった様々なジャンルからの影響が感じられるサウンドで、まぁある意味現代っぽいんですよね。Grimesとかと並んでポップアイコンになりうる注目の新人として、メディアが推しているのも何となく分かる気はします。そして何より彼女のすごいところは作詞作曲プロデュースまでを全て1人でこなしちゃうところで、だからこそ"Me"って言うタイトルもすごく説得力があるんですよね。一見近寄りがたい音楽性なんですけど、メロはポップでしっかり聴きやすい歌モノとして成立してるし、リリックやミュージックビデオなどであえて自分を晒しだすことで、次のポップスターとしての器の大きささえアピールできてるのがすごいなって思います。ぜひ聴いてほしい快作!


08位 Alabama Shakes "Sound & Color"
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デビューアルバムである前作から3年ぶりの新作。前作は前作でよかったんですけど、今作で完全に化けましたね。2015年一番のロックアルバムだと思います。とりあえず理屈抜きに1曲目から最後の曲まで体全体が持ってかれるくらいの熱量と迫力を兼ね備えたアルバムなんですよ。まず、黒人女性の巨漢ボーカル、ブリタニーのソウルフルなボーカルが素晴らしくて。ちょっと上ずり気味なんですけどしっかりと芯のあるボーカルで、焦らしに焦らしまくってファルセットも使いまくるんですけど、ここぞという時に思いっきりシャウトして感情を爆発させる感じが素晴らしくて、本当に表現豊かなんですよね。すごく綿密に計算してるボーカルのはずなのに、衝動的に聞こえるっていう本当のソウルを体現してしまってるんです。それだけでも見事なんですけど、今作はバンドサウンドの方もしっかりと進化を遂げてて。素人レベルで聴いても、ギターもドラムもベースもあらゆる楽器が一音一音すごくクリアに聞こえてきてちょうかっこいいんですよ。ジャンル的にはブルースだったりサザン・ロック、ガレージロック、ソウルなんかの影響が色濃く感じられる、いわゆるルーツ音楽なんですけど、全く古臭くなくてむしろ他の今いるロックバンドの何倍も尖ってて超ロックンロールしてます。あともちろん"Don't Wanna Fight"みたいな音圧高めの楽曲だけでなくて、案外1曲目のような幻想的な音の鳴り方とかがこのバンドの本質なのかなって思ったりもして、コレがまたかっこいいんですよ。こういうのがちゃんと売れるアメリカってやっぱいい国だよなぁ。


07位 Lianne La Havas "Blood"
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Paloma Faithのバックコーラスを経験したこともある、UKの美人女性フォーク・ソウルシンガーLianne La Havs、BBC Sounds ofのリストにもノミネートされ注目を集めたデビューアルバムから3年ぶりの新作。UKのアルバムチャートでは人気バンドThe Maccabeesに続いて初週に2位を獲得して、人気の高さを示しています。ファーストアルバムのヒット後、ジャマイカに母親と旅行した際に、自分のルーツに触れたことが今作に多くの影響を及ぼしているそうで、6曲目の"Midnight"なんかはそこで出会ったレゲエプロデューサーStephan McGregorがプロデュースを担当していたりするんですが、そういった彼女の音楽的なバックグラウンドの幅広さが今作でも反映されています。また、一方で先行シングルを担当したPaul EpWorthや、DisclosureのHoward Lawrenceを筆頭に様々なソングライターやプロデューサーとコラボしており、何とも形容しがたいジャンルレスなサウンドを披露しています。基本的にはジャズ要素が強いアコースティックなサウンドなんですけど、あえてネオ・ソウル感を薄くしてロックなアプローチをしてる気がしますね。あと時折チープな音使いをしてるのも逆に趣深いなと。ボーカル面では、彼女って決して歌のうまい部類のシンガーではないと思うんですけど、歌声の艶やかさと繊細さと情熱が同居した独特の表現が惹きつけられます。


06位 Nicki Minaj "The Pinkprint"
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人気女性ラッパーNicki Minajの3作目。これはですね、ニッキーの完全復活作と言っても過言ではないと思います。ポップでカラフルなHIP-HOPを聴かせたデビュー・アルバム、攻撃的なラップものと歌モノのダンスミュージックという両極端な音楽性を1つにパッケージしたセカンド・アルバムとここまでリリースしたわけですが、正直どちらも彼女のアーティストとしての凄さを証明するものにはなってなかった気がしてて、どうしても客演仕事のインパクトと比較しても「無難」な印象が強かったんですよね。しかも"Starships"でポップスに媚を売りすぎた結果、肝心のヒップホップものが一時期完全に売れなくなってしまって("Super Bass"路線のポップめな"The Boys"でさえ爆死しましたし)、正直キャリアヤバイんじゃないかと思ってたんですが、やっぱそこは一流の実力を持ったラッパーなんですよね。ポップアイコンとしてのイメージをビジュアル的にも脱却してラッパーとしての側面を全面に押し出した作品をリリースしてきました。とは言っても決してキャッチーさがなくなったとかではなく、序盤から歌とラップを行き来する曲が多いし、客演も悪目立ちせずにうまく花を添えてるので、かなり聴きやすいアルバムにはなってると思います。全体的に内省的なトーンで、自身の妊娠中絶の体験を語る曲もあったりとかなりパーソナルな内容ではあるんですが、1曲1曲それぞれ個性的なビートを揃えてきてるし、中盤ではダンスナンバーゾーンを設けて完全に浮きそうだった"Anaconda"もうまく挿入してるし、飽きさせないようにうまく作ってますね。正直彼女だったらもっとすごいアルバムが作れる余力がまだ残ってそうな気もするんですけど、ようやく彼女の本質であるラップに焦点が当てられたアルバムができて、しっかり商業的にも成功をおさめることができたし、すごく意味のある作品になったんじゃないかと思います。


05位 Ellie Goulding "Delirium"
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UKの人気女性シンガーソングライターの3作目。前作"Halcyon"が出た頃のエリゴルといえば、"Lights"がまさに全米で大ヒットしてて、世界的にブレイクする可能性を秘めた個性的なアーティストのイメージが強くて。アルバムもトレンドをガン無視して民族音楽を取り入れてドリームポップっぽい音も展開したりとかなりアーティスティックな路線で、そんなにヒットシングルに恵まれなかったんですよね。ただ2013年に入ってからCalvin Harrisとの客演ヒットを皮切りに、Ryan Tedderと共作のキャッチーな"Burn"を収録したリイシュー版をリリースして一気に(商業的な)ポップに吹っ切れたんですよね。で、そっから世界的ヒットが生まれたり、その個性的な世界観で映画音楽にも抜擢されたりと徐々に世界的なアイコンとしての基盤を築いてきたわけですけど。今年に入ってからリリースされた、彼女が全く作曲に関わってないどキャッチーな"Love Me Like You Do"が話題の映画"Fifty Shades of Grey"にフィーチャーされて見事大ヒットを記録したわけです。で、そういった彼女のポップな側面が強く打ち出されるようになった最近の傾向を意識した上で、今回彼女が制作したのがこの"Big Pop Album"なわけです。とは言っても、ファーストアルバムもポップな内容ではあったわけで、むしろこういう路線って彼女の十八番でもあって。もちろん今作ではGreg KurstinとMax Martinっていう流行のプロデューサーとダッグを組んで入るし、80年代風シンセ・ポップな全体の雰囲気はテイラーやカーリー以降って感じなんですけど、そんな中でも彼女独特のセンスが活きてるのがすごいなぁと。結局この路線って全く売れ線ではないんですよね。その結果があの微妙なセールスだと思うんですけど(笑)。でも、一貫してEllie Gouldingらしさにあふれた素晴らしいポップアルバムの傑作だと思います。腹筋ゴルゴル子なジャケを差し替えてきた日本盤のあご強調ジャケの存在も忘れないで。


04位 Kendrick Lamar "To Pimp A Butterfly"
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実質デビュー作の前作で卓越したラップスキルを披露し、一躍人気を不動のものにしたラッパーKendrick Lamarの3作目。ウェストコーストという出自を意識しつつも最新鋭のトラックを配して内省的なトーンが貫いていた前作から、音楽性的にもリリック的にもこの新作で大きな変貌を遂げています。まずこのアートワークが示す通り、このアルバムは人種問題というかなりシリアスな社会問題を扱った作品であり、それを象徴するかのようにサウンド面でもジャズやファンクを基調にしており、黒人音楽への敬意を払ったものになっています。Flying LotusやPharrell Williamsなどメインストリームでも活躍するアーティストを迎えつつも、基本的にはジャズ系のプロデューサーを全面的に起用しており、決してトレンドど真ん中とはいえないサウンドなんですよね。なので、ここまでの絶賛されっぷりは蟹江さんの"My Beautiful Dark Twisted Fantasy"と被るところはあるんですが、新しい音をドンドン取り入れて芸術作品として成立させてた蟹江さんとは違い、これは時代を選ばないマスターピース的な存在感を放っています。リリックの中身に関しては色んな所に転がってるので、そちらを参考にしていただきたいですが、そういったリリック云々を置いといても、彼のラップそのものに圧倒されるし、このサウンドの気持ちよさが半端ないんですよね。音の一つ一つが豊かに聞こえてくるのが何よりもすごいと思います。好き嫌いは置いといて、今年を代表する1枚となったのも納得の傑作。


03位 Ty Dolla $ign "Free TC"
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個人的に今年一番楽しみにしていたアルバムです。昨年"Paranoid"や"Or Nah"のスマッシュヒットでその独特の世界観が注目され、デビューアルバムが待ち望まれていましたが、なかなかシングルヒットに恵まれないこともあってか延期を繰り返してやっと11月にリリースされました。なんとなく勘違いされやすいんですけど、彼はHIP-HOP的なアプローチもするんですけど、ラッパーというよりもDrake以降のメロのあるラップ調ボーカルを披露するR&Bシンガーであり、アルバム自体もそこをちゃんと確認しておかないと肩透かし食らう内容だと思います。特にあのちょっとナヨっとしたボーカルって明らかにR. Kellyの影響受けてますね。ってわけで、アルバムのゲストにもJagged EdgeやBabyface、Brandy、R. Kellyといった渋い客演陣を揃えてて、明らかに90年代のあの空気感を携えたコンテンポラリーR&Bって感じの内容になっています。特に前半が。そして彼の一番の売りがその独特のメロディーセンスですね。Chris Brown"Loyal"や、Rihanna"FourFiveSeconds"のソングライターとしても知られるんですけど、あのキャッチーなんだけど陰めいた独特のウェット感のあるメロって彼にしか書けないと思うんですよ。で、今作でもそれがすごく活きているなと思います。とはいっても後半の方は多数のラッパーを従えてエレクトロHIP-HOP寄りの楽曲も多くなるんですけど、そんな中でもあのしゃがれた低音で哀愁ただよう感じに歌ってて、彼の個性はビンビンに伝わってきますね。そのメロディーセンスと独特のボーカルのおかげで16曲の大作という感じもあまりせずに最後まで一気に聞けてしまいます。また、"Free TC"っていうのは、無実の殺人罪で監獄にいる弟に捧げたタイトルらしくて、アルバムの中盤でも弟との電話での会話記録が使われたり、弟が監獄からラップを披露する曲もあったりと、それがメインではなく唐突なんですがしっかりパーソナルな表現が取り入れられています。アルバム全体が結構曲調バラバラなだけに、この表現があるのとないのとでは大きく印象が変わったと思いますね。素晴らしいメロディーメーカーが生み出した最高のデビュー・アルバム!


02位 Jamie xx "In Colour"
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The xxの頭脳的存在の主要メンバーであり、プロデューサーとしてもDrake"Take Care"などを手掛けたことのあるDJのJamie xx、ソロ2作目。先行シングルでThe xxがやってたようなシンプルなダンストラックと哀愁ただようメロディーが印象的な"Loud Places"、不穏なビートが永遠にリフレインするのが印象的な"Gosh"を聴いた瞬間から期待感は高まってたんですけど、何より驚いたのが、今飛ぶ鳥落とす勢いのラッパーYoung Thugとレゲエ系のアーティストPopcaanを迎えた"Good Times"の存在で。こういうアンダーグラウンドなダンスミュージックを聴いてる層だけじゃなくて、R&BやHIP-HOPを普段聞いてるような人たちがこの曲にみんな飛びついたのがすごく印象的でした。まぁ私もそのうちの一人なんですが(笑)。それくらい全方位型の時代を象徴するような最高のポップソングとして機能するようなこの曲があったからこそ、よりこのアルバムへの期待感も高まってたんですよね。で、蓋を開けてみると、本当にかゆいところに手が届くというか、「ここ!」っていうツボを押してくれるような音を奏でてくれるので本当に聴いてて気持ちいいんですよね。そのくらい彼の音楽って理屈抜きで人の感覚に訴えかける音楽を作ってると思ってて。これって小難しい曲ばかりが評価される現在もっとも重要なことで、彼自身も「トラックを作るときに理屈とかは考えない。好きなモノは好き。」って言ってるとおりに、ダンスミュージックの枠にとらわれずに、ただやりたい音楽をただやってるだけなんでしょうね。本当にタイトル通り、様々な感情が一音一音に込められていて体全体に流れ込んでくる感覚に陥る素晴らしい作品でした。


01位 Miguel "Wildheart"
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今年の1位は絶対にコレって決めてました。10年代を代表する男性R&BアーティストMiguelの"Wildeheart"です。もう本当にこのアルバムは大好きなんですよ。3年前にリリースされた前作"Kaleidoscope Dream"は"Adorn"みたいな10年代を代表するR&Bヒットを生み出したし、エレクトロやロック、ファンク要素を加える事で華やかなサウンドを展開していて、アレはアレで素晴らしい作品だったと思うんです。で、今作では前作までの音楽性を踏襲しつつも更に新たなステップアップを果たした作品になっているんですね。前作でも若干取り入れていたロック色を今作では全面に押し出していて、浮遊感のあるエレクトロトラックとの融合もあったりと、なんとなく全体的にやってることがインディーっぽいんです。が、先行シングル"Coffee"のようなしっかりとR&Bしてる楽曲もあったりとそこら辺のバランスもうまくて。決してインディーに媚びた作品ではなく、あくまでもR&B作品として成立させてるのがまた印象いいんですね。そして、今作は共作者も最低限に絞って、自分の声を一番わかってる自身がイニシアチブを取って制作をしたことで、彼の歌声が魅力的に聞こえる音域、メロディー展開になってるんですよね。前作のようなメロディーの起伏がなくなった分、彼の歌声の持ち味が伝わりにくくなったという意見もあるんですが、むしろ僕はその逆だと思ってて、ライブ映像とか見れば一目瞭然だと思うんですけど、前作からの楽曲より明らかに今作からの曲のほうが彼の声にフィットしてるんですよ。シルクのようになめらかに歌い上げたかと思えば、天に届くかのような高音シャウトやファルセットを披露したりといろんな側面を見せていて、それでいて無理をしている感じもなく、自然に聞こえてくるのが素晴らしいです。そしてジャケットが象徴的なように、セックスシンボル的な側面を今作では強く打ち出してるんですが、女性を喜ばせるための”快楽”に焦点が当てられた楽曲が目立っていて、そこら辺も他のマッチョな男性アーティスト一線を画すというか現代的な感覚だなと思いました。The Weekndみたいなのがメインストリームに寄り添ったり、Chris BrownやTrey Songzみたいなアイドル的アイコンもいる中で、あえてこういう路線に舵を切った彼のアーティスティックな姿勢をすごく評価したいですね。



【総評】
本当はもっと長々と総評書きたかったんですけど、アルバムのコメントで力尽きたので短めに・・・。
今年は48枚アルバム買ったと書きましたが、3分の2は上半期分です。じゃあ下半期は大したアルバムが出なかったのかというとそうではなく、Apple Musicを使い始めて必要最低限のアルバムしか買わなくなりました。昨年とかもそうだったんですが、毎週1枚位のペースでアルバムを買ってると、単純にお金がなくなるし、駄作にも少なからず出会ってきたわけで結構悩んでたんですよね。
そこでストリーミングサービスのApple Musicがサービスを開始したことで一気に音楽ライフが変わりました。単純に1000円っていうのが破格だし、新作も出たらすぐにチェックできるので、色々聴いてみて本当に好きそうなアルバムだけをCDで買うことができるようになりました。ちゃんとCDで買うことに意味があるとか、一回聴いただけじゃわからないっていう意見もあると思うんですけど、こんなに大量の音楽が蔓延してる現代で、何回も聴きこんで良さがわかるアルバムを発見するのって難しいと思うんです。結局それは人それぞれの価値観であり、やっぱその時代ごとに自分にあった音楽の向かい方が必要なんじゃないかなと思っています。僕は単純に今はいろんな音楽に触れたいのでこの距離感があっていました。それだけの話です。

で、今年は単純に良いアルバムと楽曲が多かったです。僕が洋楽を聴き始めて、7年位で一番充実してた気がするんですよ。今回のTOP15のメンツなんてどれもめっちゃハマったし。あと個人的にはやっぱりR&Bというジャンルが全体的にまた復活してるのかなぁって思いましたね。今回のアルバムのメンツも直接的にはR&Bじゃなくても結局絡んでくるものが多いし、そこが一番嬉しかったですね。まぁそれはシングル部門でも書いたことなんですが。

さて、もう疲れたのであんまり深い話に入りたくないので、ここらでまとめます。えぇ、年間かみゅかみゅチャート書き始めて4年目なんですが、2012年の1位がTrey Songz"Chapter V"、2013年の1位がDrake"Nothing Was The Same"、2014年の1位はBeyonce"Beyonce"、そして今年の1位がMiguel"Wildheart"ってわけで、別に意図してなかったんですが僕らしくR&Bモノの作品を1位に今年も選べてよかったなと思います(笑。アーティスト編も書くかもしれないのですが、またその時にお会いしましょう。

では、皆様良いお年をお過ごしください!!!!!!(ギリギリセーフ・・・!)


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