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Miguel "Wildheart" アルバム・レビュー

Miguel_-_WILDHEART.jpg

01. a beautiful exit
02. DEAL
03. the valley
04. Coffee
05. NWA feat. Kurupt
06. waves
07. what's normal anyway
08. Hollywood Dreams
09. ...goingtohell
10. FLESH
11. leaves
12. face the sun feat. Lenny Kravitz



また長らくサボってましたが、アルバムレビュー書きたいと思います(何度目の宣言だという…..)。まぁ月一くらいで大好きなアルバムを紹介していければいいかなーと思うんですが(苦笑)。

今回久々に取り上げるアルバムは、6/29にリリースされたR&BシンガーMiguelの最新作”Wildheart”です。まず一応、ここまでのMiguelの活躍を振り返っておきましょう。2010年に”All I Want Is You”でメジャーデビュー。2011年にカットされたシングル”Sure Thing”が初の全米チャートTOP40入りを果たし、R&Bチャートでは堂々の1位を獲得し、その年の年間チャートでも1位の大ヒットになり一躍注目を集めます。その後、2012年にセカンド・アルバム”Kaleidoscope Dream”をリリース。そこからのファーストシングル”Adorn”がR&Bチャートで23週連続1位を記録する特大ヒットを記録(1位を取ってた途中でR&Bチャートの集計方法が変わったため、これはAirplayチャートでの記録)し、Hot100でも17位まで上がるヒットになり、広く彼の存在が知られるようになりました。



競争の激しい男性R&B業界

ってわけでいまやメインストリームのR&B界にとって最重要人物と言っても過言ではないわけですね。しかし、2015年のR&B業界を見渡してみると、とりあえず男性アーティストの印象が強いんです。大ヒットシングル量産して今年の顔とも言えるThe Weekndを筆頭に、コンスタントにヒットを出し続けるTrey Songzや地味に売れ続けて最近は客演仕事の印象も強いJeremihに、最近では独特の存在感を示しているTy Dolla $ignなんかもいるし、DrakeもかなりR&Bに近いアプローチが出来るし、さらにアイドル化していろんなジャンルをやりつつしっかりR&Bシンガーとしての仕事もこなしてるChris Brownもいるわけで、「R&Bが売れない」と言われてる現在ですが、実は男性R&B業界ってかなり粒が揃ってて競争が激しいんですね。そしてMiguelにとっては、今年中にアルバムがリリースされるのではないかと言われているFrank Oceanの存在がやっぱ大きくて。二人共2012年に大ブレイクして、お互いヒットシングルも出しアルバムも新人にしてはそこそこ売れ、しかも批評家筋からも大絶賛されてたから意識してないはずがなく。最近のMiguel、インタビューで「お互いリスペクトしてないわけじゃないけど、俺のほうがFrank Oceanよりよい音楽を作ってると思うよ。」なんて発言したことも話題になりました。たしかに彼らって共通項が多いようで実はアプローチが全然違って、元から二人の強みというか売りが違うんじゃないかなって思ったりします。



Miguelが最新作で打ち出した方向性

そんな中、Miguelは最新アルバムでどのような方向性を打ち出してきたのか、ってことなんですが。まず先行シングルの”Coffee”で、驚きの股間に穴が開いてるジーンズを履いて上裸になって悦に浸るキモすぎるジャケもかなり話題になりましたが、とにもかくにも「セックス」と「ラブ」について歌うベッド讃歌で、とりあえずこういう方向性で行くのだろうな、というのは予感されました。公開されたアルバムのジャケもなかなか気持ち悪く、店頭においてあったら手に取るのをかなりためらわれるような感じなんですが、方向性としては予想通りなのかなと。



さて、この最新作まずこれまでの前2作と決定的に違うのは、今回プロデューサーの起用を最小限に抑えて、彼自身が全面的にプロデュースを担当していることであります。彼がインスピレーションとしてPrinceやFreddie Mercury、James Brownを上げているのはよく知られていますが、このアルバムでは明らかにそういったアイコンたちを意識した作風に仕上げているのも彼がほとんどをセルフプロデュースしてる所以だと思います。また、そのために今回Miguelの歌声の引き出しがかなり多く、自分自身の音域やセクシーに聞こえるメロディーやキー、すべてを計算してる感じがします。つまり、彼の売りの一つであるその圧倒的なボーカルパフォーマンスが堪能できる作品になってるんですね。もしかしたら歌唱力が映える作りになってたのは前作の方だったのかもしれないんですが、このアルバムではいかに彼の歌声自体を魅力的に聞かせるかの方に意識がいってるんじゃないかって思います。

さて、本編いきましょう。まず1曲目聴くと、いきなりギターがゴリゴリかき鳴らされたかなりロック風なサウンドに衝撃を受けます。実は前作”Kaleidoscope Dream”も結構ロックに寄せた作りではあったのですが、ここまでヘビーなファンクサウンドが鳴らされてるとは思ってなかったので驚きます。でもずっと聴いていくと、完全にロックっぽさを全面に押し出しているのではなく、”The Valley”のような浮遊感のあるエレクトロトラックが印象的な不思議なナンバーもあったりしますし、もちろん先行シングルの”Coffee”ではもっと王道なR&B路線で、前作収録の”Pussy Is Mine”以上に官能的でみだらな世界観を表現していたりします。特にこの曲に限らず全編通して、層になって響いてくるシルキーなハーモニーは非常に印象的ですし、リリックの言葉の選び方とかも一筋縄でいかないんですよね。そしてもう1曲、このアルバムで最も印象的なのがRaphael Saadiqがプロデュースに関わった”FLESH”。先程も言いましたが、空高く舞い上がるような彼の歌声でいかに女性を昇天させるか、その最高到達点がこの曲であるように感じました。



Pitchforkのレビューを読んで非常に共感したんですが、彼がTrey SongzやJeremihといったセックスを歌う男性シンガーたちと決定的に違うところ、それが他の男性シンガーはあくまで自分の性的体験を男性の快楽として歌ってるのに対して、彼はセックスを「喜び」として捉えていて、パートナーの女性との人間的な関係を構築するためのポジティブなものとして表現しているというところなんですね。どんなに彼が脱ぎまくって気持ち悪くなったとしても、世の女性が彼に熱狂するのは、それが一番大きんじゃないかと思います。多分Trey Songzを聴いて興奮する女性(僕もですが…..)は彼の肉体に、そしてセクシーな歌声に酔いしれてるわけですが、Miguelの音楽は女性をいい意味で”イカせる”ことができるんですね。それくらい気持ちいい。そういうセックスのポジティブな面が彼の音楽自体に表れてるんだと思います。そう考えるとこのジャケットもただ気持ち悪いだけでなくちゃんと意味を持ったものとしてこちらに訴えかけてくるような気もしてきますよね。(気持ち悪いですが)

話がそれましたが、Benny BlancoとCashmere Catが共同プロデュースした”…goingtohell”、昨年リリースされたミックステープにすでに収録されてた、エレクトロギターの音色が印象的なファンクナンバー”NWA”、そしてLenny Kravitzの豪快なギターをフィーチャーしたラストの”face the sun”あたりが今回のアルバムのハイライトでしょうか。全体的にロック色が強くなっているものの、従来通りのジャンルをクロスオーバーする平衡感覚はこのアルバムでも持ち合わせており、決して「ロックすぎる」の一言で片付けることのできるアルバムではないと思います。





メインストリームのR&Bに対して彼が示した1つの回答

とは言ったものの、今回このようにギターサウンドを全面に押し出した中で、Miguel自身ロックなアプローチを意識してなかったかといえば嘘になるんじゃなかいかと思います。しかし、Freddie Mercuryをフェイバリットに挙げる彼にとって、セクシーな高音を活かすという意味でもこういう方向性を打ち出したのは決して短絡的だとは思わないし、むしろ同じく歌唱が高く評価されてるBruno Marsさえも彼の眼中に入ってるのではないかと思いました。何よりそれができたのも、彼のユニークな立ち位置があるからこそなんですよね。10年以降のR&Bを語る上で欠かせない言葉として「オルタナR&B」という言葉がありますが、初期のThe Weekndのような内向き志向のサウンドがトレンドとなる中で、決して彼はそういった風潮に迎合するような戦略は取っていません。あくまでも彼の音楽の中心にあるのは生音中心のR&Bサウンドであり、PrinceやD’Angelo、Usherと引き継がれてきた男性R&Bの王道であるセクシーな世界観なのです。そういった意味でもこのようなロック志向の強いサウンドへの以降はメインストリームのR&Bに対する彼なりの一つの答えであるように感じます。

あと、個人的にはこのアルバムを聴いて思い出したのはAndre 3000の2003年の作品”The Love Below”であったりします。決して音楽性が二人一致してるとは思わないのですが、あぁいうPrinceとかも意識しつつ、ジャンルをクロスオーバーしたファンクサウンドをやっているっていうのがなんとなく似てるように感じたんですね。あくまで僕はAndre 3000の音楽をリアルタイムで体感はしてないし今の感性での率直な意見なんですが、はっきり言って僕は傑作と名高い”The Love Below”よりこっちのほうが圧倒的に好きなんですね。それは何度も言っているのですが、この"Wildheart"って彼の圧倒的なボーカルワークが光っているアルバムだからなんです。だからこそこのサウンドへの移行がMiguelの音楽性として大きな意味を持ってくると思います。



Miguelの目指してるもの

長々と語ってきたわけですが、端的に言って今のところ僕の中でこのアルバム2015年のベスト・アルバム最有力候補であったりします。単純にMiguelが好きなところもあるのですが、2015年のR&B業界において彼が示した一つの答えがコレであるというのが非常に面白いと思うんです。多くのR&Bシンガーたちがなかなかシングルヒットを出せずに迷走したり苦心し、さらにその影響でアルバムセールスも振るわない中で、いまやHot100の上位のR&Bといえばデジタルダンス色の強い曲しかなかなか入ってこないわけです。そこで、Beyonceはインディー色の強いR&Bをメインストリームに寄せてくることで完全復活を遂げたわけなのですが、前作で"Adorn"をクロスオーバーヒットさせた彼はあえてそういったものを避け、アーティストして自分のやりたいことを優先させたのだと思うんですね。つまり彼は自分のキャリアを長期的に見てただヒットを出すことに意味を見出さなかったわけです。もっとアーティストとして音楽性を高めてくことを優先したわけですね。それにともなって露出度が格段に上がったりしてますが正直自分をTrey Songz並のイケメンだと勘違いしてるんじゃないかという気がしてならないのですが、それも一応彼自身で計算してやってることなんだろうなと思います。あと、このアルバムって迷走でもないし苦心してできたわけでもなく、しかもなかなか他のR&Bアーティストならやらそうな方向性だし完全にトレンドからは外れてくるのに、彼自身「コレをやる」ってはっきり焦点を定めて作ったのがよく伝わってくるんですよね。それが何よりすごいと思います。

さて、はじめの方にMiguelとFrank Oceanは違うと述べたが、もうここまで読んだら比べるのもおこがましいなんていうのはわかっていただけると思います。Miguelはあくまでセックスを愛するエンターテイナーなのです。に対して、Frank Oceanはもっと自己の内面を晒し出す繊細な詩を人々に届ける詩人なんですよね。そういった意味でMiguelが「俺のほうがより良い音楽を作ってると思う」と発言したのはすごく的を射た発言なんじゃないかと思います。決して自信過剰だとか自分の才能に惚れてるのではなく、客観的に見てエンターテイメントとして彼が優れた音楽を作ってるのは明らかですし、このアルバムでその証明をしていると思います。まだキャリア的には5年と決して長くはない彼ですが、見つめる先に彼の明確なビジョンを感じます。まだまだ彼はすごいことをやってのけるんじゃないかという気さえもします。そんなことまで感じさせてくれるこの最新作、素晴らしいです。ぜひ聴いてみてください。
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